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【新・関西笑談】リヤカーマン世界を歩く(1)冒険家 永瀬忠志さん(産経新聞)

 ■相棒と出合った“日本縦断” ゆっくり進む旅がいいんです。

 リヤカーを引いて世界各地を歩く旅を続ける大阪在住の冒険家、永瀬忠志さん(53)。「リヤカーマン」の異名でも知られる。48歳で歩き旅の総距離が地球1周分の約4万キロに到達、50歳を超えた今も過酷な冒険に挑む。過去に世界の5砂漠を横断・縦断した“砂漠ハンター”の次なるターゲットは、世界最古の砂漠、アフリカ・ナミブ砂漠。出発を前に歩き旅の魅力などを聞いた。(聞き手 谷田智恒)

 −−南米とか、砂漠とか、ハードな旅のようです

 永瀬 初めのころの旅というと、ここからここまで歩こうと線で結ぶ旅をしていたが、そうしているうちに「あそこはよかったな」、「ここは割と淡々と過ぎていったな」と思う場所が出てきて。充実感があったのがジャングルであったり、砂漠であったりしたもんですから、最近はよくジャングルとか砂漠に行くようになりました。

 −−リヤカーを引いていくのが流儀なんですよね

 永瀬 旅に必要な装備であったり、水とか食料をリヤカーに積んで引っ張っていくスタイルです。特に砂漠やジャングルに行く場合、食料や水がかなりの量になり、リュックサックに担ぎきれなくなってしまうもんですから。荷物だけで、重いときには重量が150キロぐらいになるときもあります。

 −−リヤカーが相棒となったのはいつからですか

 永瀬 19歳。大学2年の夏休みに歩いて日本縦断計画を立てたんです。北海道を出発して九州の南まで歩こうと計画したのですが、その出発地である北海道の北端にある宗谷岬、その近くの猿払村という村で農家の人から中古リヤカーを買ったんです。そのリヤカーに荷物をのせて出発したというのが初めてのリヤカーを引いての旅です。

 −−どうして、そんな計画を立てられたんですか

 永瀬 前年に自転車で日本を一周しました。日本海側と太平洋側をぐるっと回ったんですけど、それが終わってから、来年の夏休みにどこへ行こうかなってすぐ考え始めて。そしたら、真ん中を通っていない、列島中央部を通っていないと思いまして、日本縦断を思い立ったんです。日本一周の距離が約7500キロあったんですけど、日本縦断だと、およそ3200キロ。距離が半分もない短い距離だったんです。自転車では行ける自信はあるんだけれど、歩くということは自信がない。「本当にできるんだろうか」と思ったらそっちに興味が向かい、歩いて縦断しようという計画に変わっていったんです。

 −−歩き旅の原点ですね

 永瀬 小学4年の時に自転車で地区をぐるっと一周して、人との出会いであったり、自然との出会いが楽しかった。それが歩いて日本縦断したら、ゆっくりゆっくり旅が進んでいく。それだけに人との出会いとか、自然との出会いがより深まる。旅って遅ければ遅いほど出会いが増えていく。旅って遅ければ遅いほどいいなって思ったんですよ。それで、今度は世界を歩いてみたいと思うようになって。大学3、4年で海外、世界に行ってみたいという一心でアルバイトでお金を貯めました。70万円貯まったんですけど、そのお金を使って、大学を卒業した22歳の時にオーストラリア大陸徒歩横断という計画を立て、行きました。

                   ◇

【プロフィル】永瀬忠志

 ながせ・ただし 昭和31年2月15日、島根県出雲市生まれ、53歳。大阪産業大工学部卒。19歳の時にリヤカーを引いて徒歩で日本列島を縦断して以来、世界各地をリヤカーとともに歩く旅を続け、「リヤカーマン」の異名でも知られる。平成16年に歩き旅の総距離が赤道の地球1周約4万キロに到達。翌17年には「第10回植村直己冒険賞」を受賞した。冒険記録の著書も多数ある。

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